郷土の美術をみる・しる・まなぶ2022
牛島智子 2重らせんはからまない
福岡県立美術館
「1週間だけろうそくや ケンビ」(2015年)展示風景 撮影:長野聡史

溢れんばかりの色の奔流と力強く伸びやかな線。そのなかにあらわれるのは、動物たちや人間たち、あるいは幾何学図形や化学記号や言葉の連なり。重なりあう色彩と支持体の形態、それらをぬって動き回る形象が織りなす混然とした世界を牛島智子は生み出します。
牛島智子は1958年八女市に生まれました。九州産業大学時代を版画教室(後のIAF芸術研究室/福岡市)に通いながら過ごした牛島は、卒業後は上京しBゼミ(横浜市)に所属、ミニマル・アートやニュー・ペインティングなどの動向に触れ、様々な実験と制作を繰り返し関東を中心に活躍していました。90年代の終わりに福岡へ拠点を移し、以降、同地で八女櫨研究会の立ち上げやワークショップの開催などにも取り組みつつ作家活動を続けています。木蝋や八女和紙、コンニャク糊などの素材を使い、その地の風土・人物・労働などもモチーフとしつつ、ボーダレスに展開する牛島智子のエネルギッシュな作品や活動は、生きることそのものがはらむ想像力のきらめきに満ちています。
本展では、牛島智子のこれまでを振り返り、これからを描きだすことを試み、80年代の初期作から、90年代前半のシェイプド・キャンパスの大作、福岡に拠点を移した頃のドローイングや絵画、そして新作のインスタレーションまでを展観します。
牛島智子作品の各時代のエッセンスを抜き出した本展は回顧展であると同時に牛島のイマジネーションに特有の飛躍とユーモアで撹拌された、一つの大きなインスタレーションとも言える展覧会でもあります。牛島の人生や作品をたどる二つの異なるステップが、ときに先達たるアーティスト達の道行と、ときに時代や社会の諸相と、交差し共鳴し合いながら巡り廻って、「繭」の新作インスタレーションへ結実するとともに、線的軌跡と円環的軌跡をはらんだ螺旋状の世界を軽やかに広げて行きます。諸々の作品と時代や地域、めぐりあった人々や物事が、多重に、多声的に響き合い、胚胎する牛島智子の世界をお楽しみください。

◆イベント情報

・対談
「二重らせんをからませてみる―生きもの、欲望、ウェルビーイング」
牛島智子(本展出品作家)×竹口浩司(広島市現代美術館 学芸担当課長)

・クロストーク
「八女に生きる-まちとアートと私たち」
牛島智子×高橋康太郎(八女空き家再生スイッチ理事長)×関内潔(木工作家)

・コンセプトブック・タイム
会場内に展示している作家作成のコンセプトブックを、特別に開いて中をお見せします。

新型コロナウイルス感染症の感染状況によって変更が生じる場合がございます。各イベントの詳細、最新の情報は、福岡県立美術館公式サイトにてご確認ください。

参加アーティスト
牛島智子(1958年~)
福岡県八女市生まれ、現在、同市を拠点に活動。1981年に九州産業大学を卒業後に上京しBゼミ(横浜市)で学び、1980~90年代はヒルサイドギャラリー、スカイドアアートプレイス青山等で個展を重ねる。Triangle Artist Workshop AIR(1993年)、灰塚アースワークプロジェクトAIR(1999年)などにも参加。90年代末から活動拠点を福岡・八女に移し、身近な自然や資源に目を向けながら作品を制作し、精力的に発表を続ける。「旅する青二才」(ギャラリーアートリエ、2008年)、「とりのメウオのメそして永常さん」(パトリア日田、2021年) などの個展のほか、「カラダに効くアート」(九州芸文館、2015年)などグループ展にも多数参加。
開催情報
日程
時間
10:00〜18:00
(入場は17:30まで)
備考
休館日:月曜日
会場
福岡県立美術館 

 810-0001 福岡県福岡市中央区天神5−2−1

料金
一般:500円(350円)  高大生:200円(140円)  小中生:100円(80円)
※( )内は20名以上の団体料金
※次の方々は入場無料=身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方及びその介護者/教職員が引率する小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校の児童・生徒及びその引率者/土曜日来館の高校生以下の方
主催
福岡県立美術館
Webサイト
https://fukuoka-kenbi.jp/exhibition/2022/0308_14707/
お問い合わせ
福岡県立美術館
電話: 092-715-3551
FAX: 092-715-3552
info@fukuoka-kenbi.jp
 情報訂正のご連絡