師と教え子、二人は…
「なにを見つめ続け、どう表現してきたのか。」
「ごあいさつ」
岩永京吉美術館館長 石川 宗晴
私は、絵の素人ですが、京吉の残したスケッチや作品を、一人の先達が画の世界で、自分の人生をどのように描いてきたのかを知り、自分を描くことの参考にしたいと、常々思っています。
今回のような二人展は、他の作家の作品を、京吉の作品と比べながら、その作家の思い、表現などを感じ、京吉作品への理解を深める良い機会だと思っています。今回、金子剛先生との二人展が開催できることになり、油彩画と日本画の画材の違いなども併せて、絵というものを広く深く知る機会ができたと思っています。
三カ月の会期の中で、季節の変化も感じながら、美術館内で、その存在感をじっくり、静かに感じたいと思っています。
「二人展によせて」 金子 剛
鹿島高校の美術部で岩永京吉先生に石膏デッサンを教わり、そして油彩画を描くようになりました。佐賀大学では石本秀雄先生の教室で学び、東光展や日展への作品発表を始めました。
人物を描くのが好きで、身近な家族をモチーフに、群像としての構成のおもしろさ、家族の温かさやぬくもり、母と子の情愛などを表現したいと思ってきました。細部を省略し、色面を重視した表現を心がけて制作を続けています。
すばらしい岩永京吉美術館で恩師との二人展ができることは望外の喜びです。