EUREKAでは、4月2日(土)より、広島を拠点に活動する画家、手嶋勇気による個展「ひろしまスケッチ vol.2」を開催します。
手嶋勇気は、土地の歴史的、文化的な文脈について考察しながら、自身が住んでいる広島の「風景」を主な題材として描いています。イメージと時間が幾層にも重ねられ、多様な読み解きの可能性が開かれており、その奥には人と静物との平和的な共生の在り方について希求する思いが通底しています。
近年は、ドローイング制作アプリケーションを使ってスマートフォンの画面上に指を滑らしてスケッチし、それをキャンバスに投影して油絵で描くという手法を用いています。
本展では、大作5点を中心とした油絵作品を展示いたします。どうぞご高覧ください。
「10年以上も同じ場所に住んでいるとその場所について知っていくもので、当地の画家たちについて知るようになった。
広島の画家は、凄惨な体験や反戦・平和を描くかたわら、沢山の街並みのスケッチを残している。
僕にはそうした行為が、複雑な状況下で新しくなっていく街並みを受け入れ、愛そうとする試みに思えた。
引き継げない歴史や感情が沢山ある中で、彼らの行為に絵画を通じて同化しつつ別の仕方でやり直していくことが、イメージが固定化し、均質化しつつある都市にとって大切なことになりうるのではないだろうか。」 (手嶋勇気)
手嶋勇気(TEJIMA Yuki)
1989年北海道生まれ。2012年広島市立大学芸術学部美術学科油絵専攻卒業。2014年広島市立大学芸術学研究科修了。写実絵画の技法研究と制作を経て、即興的でドローイングのような絵画を制作する。現在は土地の歴史的な文脈や文化的な文脈に自身が接続される試みとして「風景」を主な題材として描く。
主な展覧会に、「VOCA展2022 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」 (上野の森美術館、2022)、「シェル美術賞展2020」(国立新美術館、東京)、「個展:ひろしまスケッチ」(ギャラリーG、広島、2020)などがある。ディレクションに、「原民喜 -かすかにうずく星-」(ギャラリー交差611、広島、2018)。受賞に、「sanwacompany Art Award / Art in The House 2021」グランプリ。