このたび EUREKA では、2025 年9月6日(土)より、熊本県水俣市を拠点に活動する写真家・森田具海さんの個展「海の痕跡を見つめる ―そして信じること」を開催します。
大学在学中から水俣に通い、東京藝術大学大学院修了後に水俣に移住しました。地域と関わりながら6年にわたって水俣の写真を撮影しています。
本展では、昨年出版された写真集『ここで眺める水俣 あとから来るものたちの場所』におさめられた写真と、今年撮影した新作を発表いたします 。身の回りの風景を写しながら、その中にあるかつての風景、その人にしか見えない風景、その先の風景を見ることを目指す森田さんの写真をぜひご覧ください。
岬に立つあこうの木。そのタコ足のような根は、岩や椿の木をすっかりと飲み込み、沢山の魚とともに埋め立てられた水俣湾に向かって伸びている。
わたしは、この場所をかつての海岸線と重ねながら定点観察するようになった。
──そこがまだ海だった頃の夢を見た。
あこうのそばで暮らす人のお話と、ここから見渡せる景色が呼応するとき、場所と身体との間に情緒的な結びつきを感じることがある。そこにある語れなさや、どうしようもない割り切れなさも丸ごと見つめて、 言葉や記憶から浮かび上がる風景に心を傾けたい。
【関連イベント】
トークイベント「石牟礼道子文学を追いかけて」
日時|9 月 6 日(土) 17:00-18:30
参加費|1,000 円 要予約(定員 30 名)
登壇者|米本浩二、森田具海
お申込み|お名前、電話番号、参加人数をご記入の上、メール・FAX でお申し込みください。
メール eureka@cap.ocn.ne.jp
FAX/電話 092-406-4555
米本浩二(よねもと・こうじ)
1961 年、徳島県生まれ。毎日新聞記者をへて著述業。石牟礼道子資料保存会研究員。著書に『評伝石牟礼道子 渚に立つひと』(新潮社、2017 年、第 69 回読売文学賞評論・伝記賞)、『魂の邂逅 石牟礼道子と渡辺京二』(新潮社、2020 年)、『水俣病闘争史』(河出書房新社、2022 年)、『実録・苦海浄土』(河出書房新社、2024 年)など。福岡市在住。