川喜田半泥子(1878~1963)は、百五銀行頭取や企業の要職を務める財界人であった一方で、陶芸の分野において、古今の陶磁器や茶の湯に対する深い理解に根差した遊び心あふれる作品を残しました。その作品は趣味の域を超えた高い評価を受けています。各地の陶芸産地を訪ね、荒川豊蔵、金重陶陽、三輪休和ら、近代陶芸を切り拓いた巨匠たちへも多大な影響を与えました。
近代陶芸史に名を残す半泥子ですが、行橋市やみやこ町といった京築地域の陶芸愛好家たちと親密な交流がありました。本展覧会では、半泥子の自由闊達な陶芸や書画作品を展示するとともに、京築地域の人々と半泥子の親交の足跡をたどります。
また、行橋市増田美術館のコレクションから、北大路魯山人、荒川豊蔵、金重陶陽ら、半泥子とゆかりの深い人物の作品をご紹介します。