些事をかくこと

「mochida ancoro 」プロフィールより引用(全文)





日課として絵を描いている。

はじめは上達することが目的だった。

それが継続していくとだんだんと表現の言語として馴染んでいった。

文を書くより、写真を撮るよりも

あいまいででたらめなのに、

一番正確に伝えられるような気がした。

手段を手に入れると、

それまであまりにも些細なことだと思って見逃してきた

日常の中の心惹かれるものを

絵を通して拾い上げるようになった。

たとえば、

夜道の街灯の光だったり、

西日があたるガラスの瓶の影だったり、

みつけるとわくわくして、

しばらく眺めていたくなるものが

わたしの生活にはたくさんあった。

わたしはそれを誰かにみてもらいたくてうずうずしていたのかもしれない。

今はその「誰か」は時間も空間も離れた相手のことを想像している。

いまわたしがいるところ

離れたあなたがいるところ

そこでわたしの描いた日常の絵はどんな意味を持つのだろう。

絵を描くことは手紙を書くことみたいだと思うことがある。


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