佐賀県立美術館は開館以来、明治から昭和初期にかけて活躍した佐賀県出身の日本近代洋画の巨匠 岡田三郎助(おかだ・さぶろうすけ、1869~1939)の画業と人物を検証してきました。
今回、OKADA-ROOM Vol.25では、岡田が活躍した明治・大正期の息吹を感じることのできる作品を紹介します。日本にふさわしい洋画の姿を探求した岡田は、その試みの一つとして身近な風景や人々の何気ない美しさに着目し、愛着を込めて描きました。さらに人物表現に熟達した岡田は、佐賀出身の実業家である藤山雷太をはじめ、当時を生きた人々の肖像を残したことでも知られています。岡田、そして彼の仲間の洋画家たちが活写したこれらの風景画や肖像画は、明治・大正という時代の息遣いを私たちに伝え、彼らが生きた時代について想像をたくましくしてくれます。
どこか懐かしさも感じる時代の一断面を、岡田三郎助を中心とした近代洋画の名品を通じて、束の間の時間旅行をお楽しみください。