佐賀県立美術館は開館以来、明治から昭和初期にかけて活躍した佐賀県出身の日本近代洋画の巨匠岡田三郎助(おかだ・さぶろうすけ、1869~1939)の画業と人物を紹介してきました。
岡田三郎助は特に上品で優美な女性像を得意とし、「美人画の岡田」「女性像の岡田」と称された画家でした。鋭敏な色彩感覚に裏打ちされた色のハーモニーに加え、形態を正確に写すより独特の「型」とも呼べる理想的な姿態をあらわす傾向もまた、岡田作品に特有の上品な雰囲気を支えた要素といえるでしょう。
岡田が描いた人物像は、くつろいだ雰囲気を演出しつつも細部まで神経の行き届いたポーズをとっています。中でも手指に関して、岡田は極めて意識的に上品なかたちを描こうとしているようです。
今回のOKADA-ROOMでは、「うつくしきひとのかたち―指先の優美―」と題し、とりわけ魅力的な指先の表現が見られる岡田三郎助作品を下記のとおり展示します。