数々の新しい詩の運動をまきおこしてきた注目の現代詩人・最果タヒ、九州初の個展開催!
中学生のころからインターネット上で言葉を発表しはじめた最果タヒ。2006年に投稿作品が第44回現代詩手帖賞を受賞、翌年に第一詩集『グッドモーニング』を刊行し、第1 3回中原中也賞に選ばれる。2015年には詩集『死んでしまう系のぼくらに』で第33回現代詩花椿賞を受賞するなど、詩人として高い評価を得ています。
スマートフォンで詩を書き、現代の感情を繊細かつ鋭く表現する最果タヒの作品発表の場は、本やインターネット上にとどまりません。SNSの活用、作詞、詩集の映画化、商業施設とのコラボレーションといった幅広い活動によって、これまで詩に触れる機会が少なかった若い世代もファンに取り込んでいます。近年は、横浜美術館での個展や、詩のホテルなど空間を使った作品発表を積極的に試みるなど、多様で新たな詩の運動は、より一層注目を集 めています。
言葉が、わたしを飛び越える。
現代の感情=言葉を体験するインスタレーション!
本展は「詩の展示」。読者が会場を歩き回り、空間全体で言葉を体感するインスタレーションです。なかでも、天井から多数の言葉が書かれたモビールを吊るす《詩になる直前の、アルティアムは。》は重要な作品の一つ。表裏に異なる詩の断片が記された、静かに揺れ動くモノトーンの紙片はいくつもの言葉の連なりを生み出し、その偶然から詩を切り取るのは読者自身です。
この作品を始め、最果タヒは書き下ろし作品を含む自らの詩を大胆に断片化し、空間いっぱいに展開させます。つまり会場にあるのは、作品があなたに読まれ、初めて意味を持つものであってほしいと願う、最果タヒによる「 詩になる直前」の言葉たち。それらを追いかける体験を通して、自分の心が動く言葉やその瞬間、あるいは、目が「無意識に読んでいる」感覚に気付くような、言葉との新たな出会いが生まれるでしょう。
本展アートディレクションは、これまで最果の数々の書籍(『死んでしまう系のぼくらに』を始めとする詩集三部作など)のデザインを手がけてきたグラフィックデザイナー佐々木俊が担当。また、同時期(7/10~8/30)、イムズ館内各所でも、最果タヒの詩が展開されます。あわせてお楽しみください。