[30 回特別企画展 岩永京吉と金子剛ーそのまなざしと対象ー]の展示の中で、来館された黄美会の方たちに、京吉の日展初入選までに行った色々な作画の試みを見て頂いたところ、とても興味をもっていただき、その作画作業に改めて興味をもち、その京吉の動機を探るべく、未だ探していなかった倉庫奥の書棚を調べ、美校時代の書物、講義ノート、飯山中学校での講義目録、復員後の鹿島中学、鹿島高校での講義ノート、書物、認定講習の記録を見出した。そこには美術教師としての心構え、教材を準備する姿が見えてきた。
これまで、残っている作画の跡のみを追ってきたが、京吉の美術教師の姿とともにその作画を見直してみようと思ったのが、今回の展示企画である。
鹿島中学校で絵の道を志して以降の、美術学校受験時代、美術学校での日々、飯山での教師としての生活、戦地での作画、復員後の教師資格の取得、教材の準備、時代の作画への挑戦、内面を表出する作画への取り組み、等々のすべてをまとめた資料を作り上げることで、この企画の裏打ちとしたい。
参加アーティスト
岩永京吉