山口情報芸術センター[YCAM]が開館して15年。これまで数々の国内外のアーティストとともに、メディアテクノロジーを駆使した作品を制作・発表してきました。
メディアアートはコンピュータや映像・音響機材などを使用していることが多く、故障や技術環境の変化によって動かせなくなるなど、作品を未来に残す上で多くの困難を抱えています。現在、世界中の美術館や研究機関でさまざまな保存修復の取り組みがなされていますが、今回、つくり手であるアーティストたちの声に焦点を当てます。これまでYCAMの事業に関わったことのある100名を超えるアーティストに実施したアンケートを元に、従来の作品保存とは異なる視点で、作品の「死」について考え、さらに「転生」させて未来に伝える可能性を模索します。
本展では、アートユニット「エキソニモ」を共同キュレーターとして迎え、巨大な「メディアアートの墓」をつくり、その中に複数のアーティストたちが「死」を迎えた作品を展示します。展覧会を通して、作品の寿命や未来について思いを馳せ、芸術表現をはじめとする「文化」を創造的に継承する新たなかたちを考える機会を創出します。