日本初・九州初上陸、イスラエル博物館(エルサレム)のコレクション
版画を中心に初期から晩年までのピカソ作品130点が一堂に
20世紀美術最大の巨匠、パブロ・ピカソ(1881–1973)は、古今の芸術と対話し、試行錯誤を繰り返しながら、新たな造形を生み出すことに挑み続けた芸術家です。
絵画や彫刻、陶器、舞台装置などさまざまな領域で制作したピカソですが、版画でも豊かな創造力を発揮しています。ピカソは、パリに出てまもなく版画に取り組み始め、生涯にわたってエッチング、リトグラフ、リノカットといった多様な版画技法に挑戦し、膨大な数の作品を制作しました。版画はピカソの芸術の中で重要な部分を占めています。
本展では、世界有数の規模で知られるエルサレムのイスラエル博物館のコレクションより、初期の「青の時代」から晩年までの、版画を中心とする130点を展観します。〈サルタンバンク・シリーズ〉〈ヴォラール連作〉〈フランコの夢と嘘〉〈347シリーズ〉などの代表的な連作を軸に、油彩、ドローイング、写真も交えながら、ピカソの豊饒な実験と創造の軌跡をたどります。本展でぜひ生命力あふれるピカソの版画の魅力にふれてみてください。
■本展のみどころ
1.イスラエル博物館(エルサレム)より、版画を中心とする選りすぐりのピカソ作品が初来日。
エルサレムにあるイスラエル博物館は、800点あまりのグラフィック作品を中心とするピカソ・コレクションを有しています。イスラエル博物館のピカソ・コレクションがまとまって紹介されるのは日本で初めて、九州では初上陸となります。
2.初期から晩年までの作品を通して、ピカソの長く、豊饒な創作の軌跡を知る貴重な機会。
世紀の変わり目の1900年頃の絵画から、亡くなる3年前の1970年の作品までを年代順に展示。めまぐるしい作風の変遷と、社会や身のまわりの日常を着想源とする主題やモチーフの数々をたどり、長きにわたるピカソの豊饒な創作の軌跡を紹介します。
3.各時代を代表する版画作品を展示し、さまざまな版画技法を追究するピカソの探求心に迫る。
ピカソの作家活動を彩った主要な4つの版画作品、―青の時代の傑作 銅版画《貧しい食事》を含む〈サルタンバンク・シリーズ〉、1930年代の〈ヴォラール連作〉、戦時期の《フランコの夢と嘘 I、II》、86 歳で制作した〈347 シリーズ〉―を紹介。ピカソの版画への造詣や探求心とともに、版画における多様な表現をご覧いただきます。
【イスラエル博物館(エルサレム)について】
1965年に設立されたイスラエル博物館は、イスラエルの最も重要な文化施設で、世界有数の博物館の一つです。段丘のように広がる15エーカー(約60,700m²)敷地と建物には、ユダヤの美術・生活および聖地の考古学にまつわる包括的コレクションと、幅広い分野にまたがる充実した美術のコレクションが収蔵・展示されています。また、世界最古の聖書写本「死海文書」を収める「聖書館」の他、第二神殿時代のエルサレムの大規模再現模型や、イサム・ノグチ がデザインしたビリー・ローズ・アート・ガーデンが敷地内に点在します。過去50年あまりの間に、世界中の支援者から比類なき寄付と支援を受け、同館のコレクションは、およそ50万点に及びます。