永遠のチャップリンのために
大野裕之(日本チャップリン協会会長・脚本家)
なぜ今、チャップリンなのでしょうか?
ウクライナのゼレンスキー大統領は「新たなチャップリンが必要だ」と訴え、レディ・ガガはコロナ禍に喘ぐ人々に向けて、『モダン・タイムス』の曲「スマイル」を歌いました。
日本では東日本大震災の後、動画サイトのチャップリンの再生回数が数十倍になりました。
なぜチャップリンは、私たちが困難にあるとき、いつもそばにいてくれるのでしょうか?
それは、『キッド』の親子の情愛にいつも微笑みと涙がこぼれてしまうからでしょうか?
それとも、『モダン・タイムス』の痛烈な機械文明批判が現代に生きる私たちの胸を刺すからでしょうか?
『黄金狂時代』の究極の身体芸に圧倒され、『サーカス』の綱渡りのスリルに人生で一番爆笑してしまうからでしょうか?
あるいは、『巴里の女性』の映像表現の斬新さに、『殺人狂時代』の冷たくスタイリッシュな演出に、『ニューヨークの王様』の老いてなお熱くシャープな視点に感嘆するからでしょうか?
でも残念なことにどれだけの賛辞を重ねても、チャップリンの偉大さを語りうる言葉は見つかりません。
だから、ぜひとも今回の上映で目撃してほしいのです。
『街の灯』のボクシングの爆笑の後、ラストシーンに奔流する残酷なまでに美しい愛を。
『独裁者』でヒトラーにたった一人で立ち向かった人類史に残る決死の闘いを。
『ライムライト』の主人公カルヴェロの瞳に深く映る、人の生と死の悲哀を。
私たちを笑いで勇気づけ、私たちと一緒に泣いてくれる、あのちっぽけな放浪者の姿を。
世界を以前よりも楽しい場所に変えてくれた永遠のフォーエバーチャップリンを!
なぜ今チャップリンなのか――世界が混迷にある今こそ、私たちにはどうしてもチャップリンのユーモアが必要なのです!
(「フォーエバー・チャップリン」公式ホームページより転載)
【上映スケジュール】
1/20(金)〜1/26(木) 独裁者
1/27(金)〜2/2(木) 街の灯
2/3(金)〜2/9(木) キッド(短編『サニーサイド』併映)
2/10(金)〜2/16(木) モダン・タイムス
2/17(金)〜2/23(木) ライムライト
2/24(金)〜3/2(木) 黄金狂時代(短編『給料日』併映)
※期間中、来場者プレゼント(ポストカード)あり!
※上映時間はホームページをご確認ください。