佐賀県立美術館は開館以来、明治から昭和初期にかけて活躍した佐賀県出身の日本近代洋画の巨匠岡田三郎助(おかだ・さぶろうすけ)の画業と人物を検証してきました。
寒さが緩み、草木が芽吹く春。野山に色彩が戻り、冬を耐え忍んだ生命が再び賑わうこの季節は、いつの時代も変わらず私たちの心を高鳴らせてくれます。岡田をはじめとした洋画家たちもまた、春の情景に大いに絵心を刺激され、パレットを携えて野山に赴き、花々を愛でながら絵筆を振るいました。
今回の展示では、岡田を中心とした美術館の近代洋画コレクションより、早春にふさわしい作品を選りすぐってご紹介します。館蔵の名品15点を通して、麗らかな春の息吹を感じてください。
〈主な展示作品〉
・岡田三郎助《花野》 1917(大正6)年 館蔵 佐賀県重要文化財
・岡田三郎助《丹霞郷》 1933(昭和8)年 個人蔵(寄託)
・山口亮一《桜》 1921(大正10)年 館蔵
・北島浅一《梅》 1940-41(昭和15-16)年 館蔵