混浴温泉世界実行委員会(大分県別府市)は、半年ごとに1組のアーティストを別府市に招聘し、4年間で8つの作品を制作する『ALTERNATIVE-STATE』(読み:オルタナティブ・ステート)を2022年10月に開始しました。
第2作目となる今回は、台北とブリュッセルを拠点に国際的に活動するアーティスト、マイケル・リンを招聘し、ブルーバード会館(大分県別府市)の西側壁面に大型の壁画を制作します。その壁画の図案などを用いた11種類のポスターを制作し、中心市街地の壁面等に設置するほか、近隣店舗や市民にも広く配布します。
マイケル・リンは、人々の暮らしに根ざす柄や模様をモチーフに、鑑賞者をもその一部にしてしまうような巨大な絵画を公共空間に生み出す手法で知られています。2009年に別府で開催された別府現代芸術フェスティバル『混浴温泉世界』の招へい作家でもあり、当時制作した作品は今でも市内で見ることができます。14年ぶりに彼が別府市で展開する本プロジェクトでは、市内をリサーチするなかでインスピレーションを得た浴衣とタイルの柄が、さまざまな形で市内各所の公共空間から私的な空間にまで広がっていきます。
『ALTERNATIVE-STATE』は、大分県別府市がいつ訪れても街とアートを楽しめる場所としてさらに魅力が高まることを目指しています。なおこの事業は、きたる別府市制100周年に向けた記念事業としても位置付けられています。
- 事業名称:[ALTERNATIVE-STATE #1] Onsenbouquet
- アーティスト:マイケル・リン
- 作品名:温泉花束(おんせんぶーけ /Onsenbouquet)
- 設置場所:ブルーバード会館西側壁面、井上デンキセンター新宮通り側壁面ほか
- 展示開始日:2023年3月16 日(木)(予定)
- 総合プロデューサー:山出淳也 (Yamaide Art Office 株式会社 代表取締役)
1.壁画プロジェクト
浴衣の花柄をモチーフにした大型壁画を地元の若手アーティストや学生らとともに制作し、歴史ある映画館『別府ブルーバード劇場』を備える『ブルーバード会館』の西側壁面に設置します。
- 設置場所:ブルーバード会館(別府市北浜1-2-12)西側壁面
- 完成予定日:2023年3月25日(土)
2.ポスタープロジェクト
中心市街地のある壁面を、浴衣とタイルの柄を用いた11種類のポスターで埋め尽くします。展示会場の1つとして、個人宅を公募によって選定するほか、市内の店舗や市民にも同じデザインのポスターを配布します。
- 公募期間:2023年2月22日(水)~3月1日(水) ※応募条件等詳しくはWebサイトでご確認ください。
- 設置場所:井上デンキセンター(大分県別府市元町4-13)新宮通り側壁面、公募で選ばれた個人宅ほか
- 完成予定日:2023年3月16日(木)
<市民への配布>
- 配布場所:TRANSIT(別府市末広町1-3 レンガホール1階)、別府市役所(別府市上野口町1-15)ほか
- 配布開始予定日:2023年3月16日(木)より ※なくなり次第終了
- 配布対象者:別府市在住者あるいは同市にゆかりがあり、配布場所へのお越しが可能な方
【イベント情報】
マイケル・リンの新作完成を記念してトークイベントを開催します。ホストには、リンと長年にわたる交流があり大分県とも縁の深い、アーティストの島袋道浩を迎えます。両者の「生活や日常のなかに作品のテーマやモチーフを見出す」という共通点や美術館の枠を超えた活動のあり方を切り口に、今回の新作や近年の活動について対話します。
- 登壇者:マイケル・リン([ALTERNATIVE-STATE #1] Onsenbouquet招へいアーティスト)、島袋道浩(アーティスト)
- 日時:2023年3月25日(土) 13:30~15:00(13:00開場)
- 会場:ブルーバード会館3階フレックスホール(別府市北浜1-2-12)
- 料金:無料
- 定員:150名(要予約、先着順)
- 予約方法:3月1日(水)10:00より予約受付を開始します。予約フォームまたは電話でお申し込みください。
- 予約フォーム:https://pro.form-mailer.jp/fms/4acbae79279173 ※3月1日(水)10:00よりアクセスできます
■イベント登壇者 島袋道浩(しまぶく みちひろ)/アーティスト
1969年神戸市出身。那覇市在住。1990年代初頭より世界中の多くの場所を旅し、その場所やそこに生きる人々の生活や文化、新しいコミュニケーションのあり方に関するインスタレーション作品や彫刻、写真、ビデオ作品、パフォーマンスなどを制作。詩的でユーモアに溢れると同時に社会や人々を啓発する作風は世界的な評価を得ている。世界各地の美術館やアートセンター、ギャラリーなどで個展を開催すると同時に企画展にも多数参加。代表的なものにヴェニス・ビエンナーレ(2003・2017)、サンパウロ・ビエンナーレ(2006)などがある。作品はパリのポンピドー・センターやロンドンのテートモダン、モナコの新国立美術館、クンストハーレ・ベルン、香港のM+、国立国際美術館、東京都現代美術館、金沢21世紀美術館などに収蔵されている。大分県内では、別府市のホテル『ガレリア御堂原』や国東半島各所で恒久展示作品が見られる。