本野克彦氏（1932〜2021年）は、両親が佐賀県出身で、自身も小学校6年時からの約3年間を佐賀県で過ごされました。父・吉彦氏創業の「東方商館株式会社」等の経営の傍ら、東京佐賀県人会の常務理事、小城市立中林梧竹記念館名誉館長などを歴任するなど、佐賀県に対して多大なご支援をいただきました。
本野氏は、歴史や文化への造詣が深く、長年にわたり、佐賀県に関する様々な作品や資料を精力的に収集されました。生前から、収集した資料を一括して佐賀県に寄贈する意向をお持ちで、88歳で御逝去された後、その御意向を受けた御子息・本野敦彦氏から令和4年2月に、正式に当館及び佐賀城本丸歴史館へご寄贈いただきました。これまでに受け入れた「本野克彦コレクション」は、総数476件に及びます。
本展覧会では、「本野克彦コレクション」のうち、時代は戦国時代から現代まで、分野も古文書から現代美術作品にわたる多彩な資料をご紹介します。
故郷〈佐賀〉に対する本野氏の思いがなしえたコレクションを通して、本野氏が大切にされた佐賀の歴史や文化、美術を是非会場でご覧ください。

《主な展示作品》
・中林梧竹《いろは歌屏風》　屏風装　紙本墨書　1911年
・岡田三郎助《老人肖像》　額装　油彩　1912年
・池田学《記憶》　額装　紙にペン・インク　2002年
・富岡鉄斎《煎茶図》　掛軸装　紙本着色　1882年
・鍋島直正「有感二首」　掛軸装　紙本墨書　1855年
・木崎盛標「江猪漁事・鮪網之図・鯛網の図・海士」図巻（『肥前国産物図考』のうち/原本）紙本着色　巻子装　18世紀後半
絵画、書など計77点（予定）

《関連イベント》
・学芸員によるギャラリートーク
〈日時〉3月25日（土）、4月8日（土）、4月22日（土）、5月6日（土）各日14時から
〈会場〉美術館2・3号展示室
〈参加料〉無料

《同時開催》
「梧竹の書−本野克彦コレクション−」
〈会期〉3月17日（金）〜5月14日（日）
〈会場〉佐賀県佐賀城本丸歴史館　特別展示室（御小書院）
〈観覧料〉無料

「本野克彦コレクション展−梧竹・小城へのまなざし−」
〈会期〉第1期：3月18日（土）〜5月28日（日）
第2期：6月3日（土）〜9月3日（日）
〈会場〉小城市立中林梧竹記念館・歴史資料館企画展示室
※第2期は中林梧竹記念館のみ
〈入場料〉200円（大学生以下無料）