GⅢ-Vol.161 酒井一吉 幽語の回路
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熊本市現代美術館

酒井一吉は、祖父母が被爆者であるという出自から「ナガサキ/NAGASAKI」を見つめ、これまでに、被爆で倒壊した教会を題材とした「浦上天主堂再現プロジェクト」や《平和祈念像》に扮したパフォーマンスなどを通して、「ナガサキ」への問いを投げかけてきました。本展で酒井が発表する作品は、長崎市の《平和祈念像》に見られる「手」の造形を起点としながら、「語り」をめぐる制度や身体性について光を当てるものです。彫刻が「手」で語るものは何か。また聴覚や視覚に障害をもつ人の被爆体験について、手話の「手」、点字という「手で認識する言語」をモチーフに、“語るべき人の語られなかった証言”についても取り上げます。

戦後80年、戦争体験者による直接の「語り」が不可能になりつつある現実を前に、しばしば未来への継承が議論に上っています。語る主体の不在を危ぶむ声は小さくありませんが、酒井の「語り」に対するまなざしは、静かな彫刻の「手」、制度の中にある「語り」の在り様をとらえ、さらには多くの必然の「沈黙」があることを浮き彫りにするでしょう。幽語(ゆうご)―幽かに語る・語られる声―。その声を、私たちは聞き取ることができるのでしょうか。

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アーティスト・トーク「幽語と対話する──AIとともに語る記憶と沈黙」

開催日:8月2日(土)
時 間:13:30-14:30
会 場:ギャラリーⅢ  *参加無料 事前予約不要

《After the Image, Before the Word-Memorial statue》(部分)2025年
開催情報
日程
時間
10:00-20:00
備考
休館日:火曜日 ※9/23(火祝)は開館し、翌9/24(水)は休館
会場
熊本市現代美術館 

 8600845 熊本県熊本市中央区上通町2-3 びぷれす熊日会館3F

料金
入場無料
主催
熊本市現代美術館(熊本市、公益財団法人熊本市美術文化振興財団)
Webサイト
https://www.camk.jp/
お問い合わせ
熊本市現代美術館
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