熊本県八代市出身の映画監督・遠山昇司(とおやま しょうじ)は、これまで地域にフォーカスした劇映画を制作すると同時に、アートプロジェクトや舞台作品、芸術祭の統括ディレクターなど多彩な活動を続けてきました。本展は、美術館に眠る収蔵品から、自身の映画やアートプロジェクトまでを、「鳥」を切り口として、遠山が新たな視点で再構成するインスタレーション形式の個展となります。
主な出品作として、海の上の小学校を郵便局に見立て、手紙の交換をするアートプロジェクト「赤崎水曜日郵便局」、豪雨災害後の球磨川を撮った映画「あの子の夢を水に流して」などの代表作から、シベリア抑留体験を絵画にした画家・宮崎静夫の描く鳥にスポットを当てた新作インスタレーション「鶴をひらく」、及び展覧会タイトルでもある「収蔵庫の鳥たち」などを展示します。併せて、熊本県立小国高等学校の生徒の皆さんと共同制作した映像作品「しろい息」も公開いたします。

遠山昇司 Shoji Toyama
映画監督|アートディレクター
1984年 熊本県八代市生まれ、東京在住。
早稲田大学大学院国際情報通信研究科修士課程修了
https://www.toyama-shoji.com/
主な映画作品に、熊本・天草を舞台にした『NOT LONG, AT NIGHT -夜はながくない-』(2013年公開/第25回東京国際映画祭〈日本映画・ある視点部門〉出品作品)、熊本豪雨を受けて制作された『あの子の夢を水に流して』(2023年/第12回バウネアーリオ・コンボリウー国際映画祭 最優秀監督賞・最優秀演技賞)等がある。同時に、映画だけでなく、多様な分野で活動し、アートプロジェクト『赤崎水曜日郵便局』(2013年/2014年グッドデザイン賞受賞)では、熊本県津奈木町にある海に浮かぶ旧赤崎小学校を再利用したプロジェクトは全国的に話題となり、多数のテレビ番組で特集され、書籍化された。また、国内屈指の規模をほこる『さいたま国際芸術祭2020』では統括ディレクターを務めた。

展覧会関連イベント
◇オープニングトーク
「収蔵庫の鳥たち」展ほか、小国町で開催中のプロジェクトについて語ります。
日 時:10月5日(日)13:00~14:30 各30分程度
出 演:遠山昇司(本展作家)、「小さな国」プロジェクトメンバーほか
場 所:ホームギャラリー ※「小さな国」特製スープもあわせてお楽しみください。
定 員:80名(先着順)、参加無料
◇小さな水曜日郵便局
会期中に「小さな水曜日郵便局」が美術館の中に開局します。
あなたの水曜日の思い出を誰かと交換してみましょう。
場 所:熊本市現代美術館アートラボマーケット ※切手代等の参加費が必要です
◇アーティストトーク① 「遠山昇司×日比野克彦(当館館長)」
日 時:10月12 日(日) 14:00~15:00
場 所:展覧会場内をツアー形式で巡ります
定 員:40名程度 参加無料 ※直接会場入口に集合(予約不要)
※10月12日(日)は開館記念日のため観覧無料
◇アーティストトーク② 「遠山昇司×片岡真実(森美術館館長/国立アートリサーチセンター センター長)」
本展や地域芸術祭のあり方について語ります
日 時:11月15日(土)15:00~16:00
場 所:ホームギャラリー
定 員:80名(先着順)、参加無料
※展覧会イベントは変更になる場合があります。そのほか、会期中に学芸員によるギャラリートークや、
遠山昇司映画作品の特集上映、小国町をめぐるバスツアー等も予定されています。
最新情報は熊本市現代美術館までお問合せいただくか、ホームページでご確認ください。

