孤独、不安、死の恐怖
人間が持つ暗い影と向き合い続けた画家・鴨居玲の回顧展
本展は、戦後の日本洋画壇において異色の存在感を放った画家・鴨居玲の大規模回顧展です。鴨居玲は1928年に石川県金沢市に生まれましたが、本籍は父親の生まれ故郷である長崎県北松浦郡田平町(現・平戸市田平町)でした。そのため当館では長崎ゆかりの作家として開館当初より顕彰を重ねてきました。当館での回顧展開催は、2006年以来19年振りとなります。
卓越したデッサン力、そして光と影が織りなす画面構成によって描かれたシリーズは、「自画像」「酔っぱらい」「女性像」「教会」など多岐に渡ります。特に1971年からのスペイン時代に描かれた老人や物乞い、そして酔っぱらいの作品群は、鴨居芸術の白眉といえるでしょう。
本展は、笠間日動美術館、ひろしま美術館、石川県立美術館、そして当館の作品を中心に、画業初期から絶筆に至るまでの油彩画やデッサンによって構成されます。孤独や不安、死の恐怖など、人間誰しもが持つ暗い影に正面から向き合った鴨居の作品は、混沌を極める現在だからこそ、これからを生きる我々に大きな示唆を与えてくれるでしょう。
関連企画
レクチャー
「鴨居玲の作品を語る」
日 時|2026年1月11日(日)14:00-15:00(開場13:30)
講 師|森園敦(長崎県美術館学芸員)
会 場|ホール
定 員|先着80名
料 金|無料
学芸員によるギャラリートーク
日 時|2025年11月29日(土)、12月27日(土)、2026年1月24日(土)各日14:00-15:00
会 場|企画展示室
定 員|各回先着20名
料 金|無料(要本展覧観券)
ワークショップ
「鴨居玲と出会う/油絵に触れる」
油絵にはじめて触れる方向けのプログラムです。油絵の道具や使い方を知り、鴨居玲の作品を鑑賞した後に、講師の指導のもと「自分の顔またはその一部」を描くことに挑戦します。
日 時|①12月20日(土)10:00-15:00 ②12月21日(日)10:00-15:00
講 師|辻本健輝(画家・STUDIO HIZEN LLC 代表)
会 場|アトリエ、企画展示室
対 象|中学生以上
定 員|各回10名 ※応募者多数の場合は抽選
参 加 費|1,000円(大学生以上は要本展観覧券)
申込方法|下記URLまたは右の二次元コードからお申込みください。
https://forms.office.com/r/mJkE6xxj8H
申込締切|11月30日(日)
12月4日(木)までにメールで抽選結果をお送りします。
■カフェ期間限定販売
長崎県美術館カフェでは、鴨居玲が滞在したスペインにちなみ、スペイン産の赤ワインを使用したホットワインを本展期間限定でご提供します。ホットワインにオレンジ・レーズン・アーモンドスライス・シナモンをトッピングした、寒い季節にぴったりの体が温まる一杯です。本展観覧券がついたお得なセット券も販売。詳しくは長崎県美術館ウェブサイトをご覧ください。
提供期間|11月22日(土)~2026年2月1日(日)

