長崎県美術館では、「永田玄の眼 タイ古陶の美」を開催いたします。本展は、長崎ゆかりの編集者・コレクターの永田玄氏コレクションを特集するものです。タイとその周辺地域の陶磁器、中でもその「黄金期」と言える15-16世紀に生まれた素朴でみずみずしい魅力ある作品を中心にご紹介します。16世紀の朱印船貿易の時代より、長崎と関わりの深いタイおよび東南アジアの陶磁。これらは、中国やオランダの影響のみならず、様々な国が長崎の文化の成り立ちに深く関わっていることを強く思い出させてくれる存在と言えます。コレクターとして、そして一生活者としての永田の眼(審美眼/眼識/目のつけ所)にも焦点を当てる本展は、観る方々にとり、身の回りの「美」に親しむ豊かな鑑賞体験の契機となることでしょう。
■永田 玄 略歴
ながた・げん/1952年、東京生まれ。編集者、プランナー、蒐集家。平凡出版株式会社(現・マガジンハウス)で雑誌編集を手掛けたのち独立し、広告や編集などの仕事に従事。一方で1980年代後半よりタイ文化に強い関心を抱き、北タイの古陶を中心に蒐集を続ける。父は長崎県出身の画家、永田力。現在は東京と、長崎市茂木の二拠点で生活する。