このたび EUREKAでは、9月1日〜9月15日まで、横浜市を拠点に活動している井上絢子さんの個展「発熱する 庭」を開催いたします。
私たちが生きている、移ろいやすい日常の中で、自分にとって絵を描くことがどういうことなのかを考察する井上絢子。自分も絶えず変化していき、様々な取り巻くものもそれぞれ変質していく。その中で、作家は感覚を研ぎ澄ませ、周辺の空間や時間、その関係や在り方をとらえようします。
福岡での3年ぶりの個展です。新作絵画を発表いたします。ご高覧いただければ幸いです。
“生活と制作を同じ場所でするようになってしばらく経つ。 暮らすことと描くことを隔たりなく行き来し、日々を確かに積み上げていく。 ゆるやかだがまっすぐに来たつもりでいるのに、ずるりと何かが抜け落ちている。 近所には小さな庭園があって、いつもその景色が目に入る。描いてみようか、と思う。 観察するための距離を取ろうとするのに、見慣れた景色に思いが寄っていく。 親密さと緊張とが交差する中、ものを見て、ものを描く。 次第に目の前の植物の色や形は見えなくなって、自分の内面に輪郭を見つける。 風で葉が擦れる音に血液の流れる音や脈が重なる。目の前の景色が体温を持っていく。”
井上絢子(Ayako Inoue)