『transition』は、別府から世界に羽ばたく過渡期にあるアーティスト・クリエイターを紹介する展覧会シリーズです。第2弾となる今回は、映像、写真、ストーリーテリングなど、さまざまな手法を用いて制作をおこなうアーティスト・西松秀祐による個展『Variations in Time』を開催します。
西松は、名古屋で洋画を学んだ後、ドイツに渡り映像表現を学びます。帰国後はアーティスト専用アパート『清島アパート』への入居をきっかけに大分県内に拠点を移し、国内外の展覧会に参加してきました。人々やその土地が持つ記憶、蓄積された時間などに目を向け、自身の心の機微を起点に、社会的事象や歴史と重ねあわせた表現をおこなっています。
本展は、複数のスライド映写機がそれぞれに刻む時間軸のなかに身体を置くインスタレーションです。光と音、そして映像が、我々をいくつもの時空へと誘うでしょう。
西松秀祐 NISHIMATSU Shusuke
岐⾩県⽣まれ。大分県内を拠点に活動。2012年名古屋芸術⼤学芸術学部 (洋画コース) 卒業後、ドイツにあるブランシュバイグ芸術⼤学にて学ぶ。映像、テキスト、写真などを用い、人々との出会いや自身の心の機微を、歴史や社会的な出来事と重ね合わせる詩的な作品を制作している。主な展覧会に『黄金町バザール2024』(Studio YUSUI C-2、横浜、2024年)、『A Breath of Time』(Grand Huit、Nantes/France、2024年)、『あたらしい場所』(アートギャラリーミヤウチ、廿⽇市/広島、2023年)、『遠くの⽅で⾳がする』(⼭中suplex別棟「MINE」、⼤阪、2023年)、『対馬アートファンタジア 2020-21』(対馬市内各所、2021年) などがある。
アーティストコメント
「地面から数cm浮いているみたい」と昔友人から言われました。確かに、どこかに属していたい気持ちもあるけれど、どこか遠くへ行ってみたい気持ちも、いつも同時にあります。カメラというひとつの記録に関わるメディアを用いるようになったのも、どこにも属していないどうしようもない自分が、場所や状況と繋がる1つの方法だったように思います。そんな地面から浮いた自分を繋ぎ止めてきた作品たちを、会場に見に来てください。10cmほど飛んで喜びます。
トークイベント
豊田市美術館学芸員の千葉 真智子氏をゲストに迎え、本展や出展作品について対談します。
登壇者:千葉 真智子 (豊田市美術館 学芸員)、西松秀祐
日 時:2024年9月14日(土) 15:00~16:30
会 場:レンガホール2階 多目的ホール (別府市末広町1-3)
料 金:無料
定 員:30名 ※要予約・先着順
申 込:下記のフォーマットより必要事項を記入の上、お申込みください。
https://pro.form-mailer.jp/fms/0f61eb2a318479
千葉 真智子 (豊田市美術館 学芸員)
愛知県生まれ。専門は近現代美術およびデザイン。主な企画に『交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー』(豊田市美術館、2022年)、『αMプロジェクト2022 判断の尺度』(gallery αM、東京、2022年)、『岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ』(豊田市美術館、2019年)、『切断してみる。―二人の耕平』(豊田市美術館、2017年)、『ほんとの うえの ツクリゴト』(岡崎市旧本多忠次邸、2015年)、『ユーモアと飛躍 そこにふれる』(岡崎市美術博物館、2013年) など。今秋10月より、豊田市美術館にて担当企画展『しないでおく、こと。――芸術と生のアナキズム』を開催予定。