山口情報芸術センター[YCAM]では、アーティストの山内祥太による新作パフォーマンス&インスタレーション「匂いのモニュメント 忘れ去られたエロス」を上演します。
山内は近年、「匂い」に着目した舞台作品やインスタレーションを発表し続けています。今回、YCAMとのコラボレーションにより発表する作品は、「体臭」を起点に個人と社会の関わり方を考える、インスタレーション型パフォーマンス作品です。
本作では、匂いを発する人や物が過度に制限された結果生じる「無臭社会」とも言える未来の世界が描かれます。ここでは自身を表現する匂いも、記憶を呼び起こす匂いもありません。未来の人々は、失ってしまった匂いをどのように悼むのでしょうか。
コミュニティを形成するなかで、他者の存在を認める寛容さが求められる一方、無意識のうちに他者との境界を生じさせる、匂いの存在。匂いを出発点に描かれる本作の体験を通じて、現代社会におけるテクノロジーやコミュニケーションのあり方について深く考えるきっかけとなるでしょう。
1月12日(日)、1月18日(土)の公演終了後にはアーティストとゲストによるポストトークや、作品の感想を鑑賞者同士で話し合あうイベント「アフター・アワーカフェ」などの関連イベントを開催します。詳しくはウェブサイトをご確認ください。