愛らしい姿とユーモアあふれる言葉で世界中のファンを魅了するムーミンとそのなかまたち。フィンランドを代表する芸術家、トーべ・ヤンソン(1914~2001 年)が生みだした「ムーミン」シリーズは、小説、絵本、新聞連載コミック、アニメ、商品など、さまざまなかたちで親しまれています。
本展は、ムーミンの原点である 9 冊の小説の挿絵原画を中心に、多彩に展開するムーミンの世界に浸ることができる展覧会です。小説や絵本の代表的な場面を原画で楽しめるほか、風刺雑誌の挿絵、企業広告やグッズ、フィギュア、また舞台に至るまで、知られざるムーミンとなかまたちの魅力を紹介します。フィンランド・タンペレ市にあるムーミン美術館とムーミンキャラクターズ社が所蔵する作品を中心に、約 500 点の貴重なコレクションをとおしてムーミンの多彩な表情に迫るまたとない機会です。また、2019 年の日本フィンランド外交関係樹立 100 周年を記念し、浮世絵とトーベ作品の比較展示、来日した際のスケッチや写真、日本の翻訳者との交流を示す資料をとおして、トーベと日本の関わりにも光を当てます。
第 1 作目のムーミン小説が発表されてから 75 年。人々の心をとらえ続ける、ムーミンの奥深い物語とアートとしての魅力に触れる本展に、どうぞご期待ください。
※浮世絵は復刻版やパネルなどを展示します。
【トーベ・ヤンソン(1914-2001)】
フィンランドを代表する芸術家。1914 年 8 月 9 日、フィンランド・ヘルシンキにて、彫刻家でスウェーデン語系フィンランド人のヴィクトル・ヤンソンと、挿絵画家でスウェーデン人の母シグネ・ハンマルステン=ヤンソンのもとに生まれる。15 歳で風刺雑誌の挿絵画家としてデビュー。1945 年から 70 年にかけて、ムーミンの児童小説シリーズ9 作を発表。ムーミンの漫画や絵本も発表した。大人向けの小説や油彩画、フレスコ画、広告、舞台のためのスケッチなども手がけるなど、芸術家として多彩に活躍した。