伊万里出身の画家、池田龍雄さんの追悼展として、絵本の挿し絵を市民図書館の企画展示室で展示いたします。
池田龍雄さん(令和2年11月30日逝去、享年92歳)は、戦後アバンギャルド世代を代表する先鋭的な画家として最前線で活躍され、日本前衛美術史の重要な証人とも称されています。
池田さんは1928年(昭和3年)に伊万里市二里町(旧西松浦郡二里村)に生まれました。青春時代を戦争により翻弄され、特攻隊員として敗戦を迎えています。戦後も苦しい運 命をたどり、そこで権力と無関係に生きることを求め、画家を目指すことになるのです。
1948年に多摩造形芸術専門学校(現多摩美術大学)入学。その後、岡本太郎や花田清輝、安部公房らが集った「アバンギャルド芸術研究会」などで、志を同じくする芸術家たち との交流により、池田さんは前衛芸術に傾倒していきます。そこは、美術のみならず、文学、演劇、音楽といった様々なジャンルの芸術家たちが、戦後の前衛芸術を豊かに展開していった時期でもありました。
そんな池田さんが30歳の時、詩人木島始の勧めにより、初めて絵本の挿し絵を手掛けます。そこにはアバンギャルドの旗手の作品とは思えないほど、温かで優しく、そして笑顔があふれる世界が広がっていました。
■展示物
・絵本で使用された挿し絵の原画:13枚 ※絵本と一緒に展示しています。
・原画:4枚
・版画:1枚
・池田龍雄さんのサイン入り画集
・原画:4枚
・版画:1枚
・池田龍雄さんのサイン入り画集