12 月1 日で没後十年になる。没後2 年を前に、京吉美術館を建て、34 回に亘って京吉の画業を辿ってきた。一人の絵作家の歩みを知りたくて、始めた展示企画であったが、新聞記事から新たな切り口に気づかされながら、企画をつなげてきた。
今回没後十年にあたり、35 回目の展示を、回顧展として、6 か月に亘って企画することにした、前期3 か月は「京吉の画業はどうみえたのか—佐賀新聞記事から」と題し、後期3 か月は「素描に見る京吉が求めたもの」とした。
前期の展示は、京吉が切り抜いていた佐賀新聞記事や、京吉美術館の展示を紹介していただいた記事をまとめ、京吉の立志からの足跡を記事で追った冊子のページを並べて、そこに見えた京吉の画業を印象付けた作品を抽出して、合わせて展示します。
展示は、その記事がみた時代順に並べ、京吉の求めたもの、悩んだものを感じようとするものです。この展示からは、地域に映った京吉の画業が見えるのではないかと思います