ー第35回展示ー
没後10 年回顧展
-後期 素描に見る京吉が求めたもの
岩永京吉美術館

12 月1 日で没後十年になる。没後2 年を前に、京吉美術館を建て、34 回に亘って京吉の画業を辿ってきた。一人の絵作家の歩みを知りたくて、始めた展示企画であったが、新聞社の視点からの企画の切り口を気づかされながら、企画をつなげてきた。

今回没後十年にあたり、35 回目の展示を、回顧展として、6 か月に亘って企画することにした、前期3 か月は「京吉の画業はどうみえたのか—佐賀新聞記事から」と題し、後期3 か月は「素描に見る京吉が求めたもの」とした。

16 歳で志し、93 歳で倒れるまでの、約80 年、クロッキー、スケッチ、タブローと、「心が通い、生活感のある題材」を探し、表現してきた作品すべてをまとめると、どんな世界が見えてくるのか。そのために、見出したクロッキー、スケッチ、エスキース、タブローの画像を集積し、歳ごとの作品すべてを一ページにした冊子を作り、画業を辿ってみることにした。

そこからは、16-30 歳 人物クロッキー、31-60 歳 浜にモチーフを求めて、作業する人々、61-75 歳 人物像に生きる力を求めて、76-90 歳  花に生命力を感じて、91-93 歳 風景に感ずる心など、この風土に心を通わせ、風土に風、息吹を感じて、それらを写し取ろうとした画業が見えてくる。

豊かに自然と会話し、一方通行でない、通い合いの中で、分け与えてくれた心を表現してきた姿が見える。

改めて、京吉が、自然の対象に真摯に正対し、「自然の持つ崇高さ、侵しがたい荘厳さを感じとって描く」本物の写実を求め続けた結果がそこにあるように思う。

素描・制作集に集めた画像は、6141 点、タブロー446 点であった。

開催情報
日程
時間
9:00〜17:00
(不定休)
会場
岩永京吉美術館 

 849-1311 佐賀県鹿島市高津原565−1

料金
無料
主催
岩永京吉美術館
お問い合わせ
0954(62)2824
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