私たちは作品を鑑賞する時、1点の作品から、実に多様な観点で感じることができます。それは鑑賞者一人一人によっても異なり、同じ鑑賞者でも作者や制作背景を知ることで感じ方が変化することもあります。
本展覧会は、鑑賞の距離を「近く」「遠く」に変えることで生まれる印象の違いに注目します。
「近く」で見る時、例えば、気付きにくい小さなモチーフや、そこに隠れたストーリーを読み解く面白さがあります。また、つぶさに観察することで使われている画材、制作の過程がわかるような痕跡が見えることもあります。
一方、「遠く」から作品全体を見渡すことで描かれた世界観や、スケール観にも気づかされます。作品の魅力も、見方を変えることで、異なる面白さを見せてくれるでしょう。
今回の展覧会では、館蔵のコレクションを中心に、様々なジャンルの作品を御紹介します。極細のペンで壮大な世界を描き上げた池田学の《誕生》をはじめ、大花瓶に細工を凝らした藤井喜代作の《色絵六歌仙白龍文大花瓶》など、作品を「よって」「はなれて」みる、2つの視点から自由に発想する楽しさを見つけていただければ幸いです。
博物館・美術館セミナー
(1)テーマ:「《誕生》の実物大パズルで遊ぼう!」(小学生対象)
2022年5月29日(日曜日)13時30分~15時
場所:県立美術館ホール
担当:秋山 沙也子(当館学芸員)
【佐賀県立博物館・美術館の公式HPよりお申し込みください】
(2)テーマ:「二つの視点で楽しむ美術鑑賞」
2022年6 月4 日(土曜日)13 時30 分~15 時
担当:安東 慶子(当館学芸員)
場所:美術館2 階 画廊
時間:いずれも13時30分~15時
参加料:無料
事前申込:不要
学芸員による展示解説
5月28日(土曜日)、6月12日(日曜日)
各日とも14時~(30分程度)
場所:佐賀県立博物館3号展示室
参加料:無料