このたび、EUREKAでは、木浦奈津子展「遠くをみる」を開催します。本展は福岡での初個展となります。新作の油彩画とドローイングを展示いたします。木浦は、尾道大学大学院を修了した2010年以後、出身地の鹿児島を拠点に活動しています。
木浦は、日常の中のふと目に留まる景色の、その瞬間を絵にしたいと考えています。まず写真という形で記憶や経験からいったんきりはなされたところに出発点が置かれます。できるだけ初めのイメージが変わらないように速く描くことによって、人物や風景が抽象化されていきます。即興的で伸びやかな筆づかいで一瞬の景色を絵画におこし、再構成して描くことで実景から離れていきますが、反対に瞬間の印象には近づいていきます。それがさらに私たち観る者一人ひとりの記憶や感情に作用することで、木浦の風景画はリアリティをもってたちあがってくるのです。
景色をリサーチする時どこか遠くをみていることに気づいた。はじめは「あの向こうには何があるだろう」などと考えているが次第にボーッとした何も考えない、無意識の状態で景色を見ていたことに気づく。その意識の状態は私の余計な雑念を取り払い、感覚的に景色を選び取ることにとても役立っている。
木浦奈津子
【略歴】
1985 鹿児島県生まれ
2010 尾道大学大学院美術研究科絵画研究分野油画専攻修了
主な個展
2017 「スナップショット」Takashi Somemiya Gallery (東京)
2015 「TWS-Emerging2015過ぎゆく景色」東京ワンダーサイト渋谷(東京)
2014 「切り取る風景」Takashi Somemiya Gallery(東京)、「ある日の景色」White Gallery (鹿児島)
主なグループ展
2018 Local Prospects 4「この隔たりを」三菱地所アルティアム(福岡)
2017 「3331 Art Fair 2017-Various Collectors Prizes」アーツ千代田3331(東京)
2016 「In Focus7-卒業生の現在」MOU尾道市立大学美術館
受賞歴
2014 トーキョーワンダーウォール2014 丸山直文賞
2013 トーキョーワンダーウォール2013 入選