福岡アジア美術館のコレクションは、1999年の開館から20年の間にアジアの近現代美術作品を約3000点収蔵するまでに成長しました。その約五分の一は、開館時に福岡市美術館から引き継いだもので、その他は当館の開設準備室時代(1996年~)から、毎年収集してきたものです。
開館以来、アジアギャラリーでは、常に100点以上の作品をさまざまなテーマで展示し、新たに収蔵した作品については、数年ごとにまとめて紹介してきています。今回は2016年から2019年の4年間に、新たに収蔵した作品118点から約60点をまとめて紹介します。
この4年間の収集活動では、主に当館の特別企画展をとおして、その出品作品を収蔵してきました。「第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014」からは若手作家の現代美術作品、「官展に見る近代美術―東京・ソウル・台北・長春」展(2014年)や「闇に刻む光 アジアの木版画運動1930s-2010s」展(2018年)からは歴史的な作品が、新たにコレクションに加わりました。
また、最後の部屋では、当館のレジデンス事業をとおして収蔵してきた作品を紹介します。当館では開館当初より、展覧会の企画だけではなく、アジアから美術作家や研究者を招へいするレジデンス事業を行ってきました。今回は、2015年から2018年に福岡に滞在した作家の作品を展示します。なお、この部屋は「あじびレジデンスの部屋」として、今後もレジデンス事業の情報や収蔵作品などを紹介していきます。
【関連図書の展示】
本展出品作家の図録をアートカフェにて展示しています。あわせてご覧ください。
メヘリーン・ムルターザ(パキスタン)「念写(未来派風に食べる)」2011年、福岡アジア美術館所蔵