19世紀イギリスにおいて、思想家・デザイナー・詩人などとして様々な分野で活躍したウィリアム・モリス(1834~1896)は「モダンデザインの父」とも称され、彼のデザインや思想は今なお世界中で息づいています。
産業革命以降、質よりも量を重視した大量生産品が溢れるなか、モリスは壁紙や家具などの室内装飾のデザインを手がけ、自ら手間と時間をかけて制作し、数々の優れた製品を生み出していきます。自然素材の美しさを愛し、職人の労働と手仕事から生まれる美を尊重するモリスの態度は、生活の中に美を見出す新しいデザイン運動「アーツ・アンド・クラフツ運動」に影響を与えました。
本展では、モリスや同時代の作家によるテキスタイル・壁紙・家具など100点余りを展示し、モリスの理想とした美に迫ります。さらに、モリスのデザインの源流ともいえる英国の風景や住まいを写真家・織作峰子の撮影による写真や映像によって紹介し、芸術と生活の融合を目指したモリスの生涯とデザインの軌跡を巡ります。
関連イベント
◇ 写真家・織作峰子によるギャラリートーク ※申込不要・要観覧券
内 容:イギリスの風景やモリスの生活した住まいの写真などを、現地でのエピソードを交えながら紹介します。
日 時:8月3日(土)14:00~15:00
会 場:2階 企画展示室
◇ 当館学芸員によるギャラリートーク ※申込不要・要観覧券
日 時:8月17日(土)・31日(土) いずれも14:00~15:00
場 所:2階 企画展示室
◇ オリジナルブックカバーを作ろう! ※申込不要・参加無料
内 容:モリスがデザインしたフォントや動植物のモチーフを使って、ブックカバーを作ります。
日 時:会期中随時開催
場 所:2階 アートフォーラム