シャルル・フランソワ・ドービニー(1817-1878)の国内初の回顧展を開催します。
ドービニーは、バルビゾン派を代表する画家ですが、ときにパレットナイフも使用した大胆な筆致によって、よりみずみずしい表現に挑戦し、印象派の先駆者とも見なされています。実際、サロン(官展)の審査員として、若き印象派の画家たちを擁護しました。当館の西洋美術コレクションは、印象派からスタートしていますが、ピサロやモネが敬愛してやまない先輩画家がドービニーだったのです。
さらに鹿児島出身の画家たち、黒田清輝、藤島武二、和田英作らも、日本の近代洋画を創出するにあたって、バルビゾン派から印象派への過渡期に表現を進化させたドービニーの作風を高く評価し、参考にしています。
今回の展覧会では、初期から晩年までの、ドービニーの油彩画や版画等約80点を展示、さらに、コロ―やクールベ、ドーミエ、息子のカールなどの周辺作家の作品約20点をご紹介します。フランスのランス美術館を中心に、国内外の作品によって、ドービニーの画業を広く捉えなおすものです。
水辺の風景を愛した画家は、自ら作ったアトリエ船「ボタン号」で旅をしながら、その光景を描き続けました。ドービニー最大の魅力である、涼しい風さえ吹いてきそうなリアルな水辺の風景をお楽しみください。

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関連イベント情報
■ギャラリートーク(当館学芸員による作品解説)
※応募不要・要展覧会チケット
開催日:8月31日(土曜日)
時 間:14時~15時
場 所:展覧会場