△「染付鵲文皿 九州陶磁文化館蔵 今泉吉郎・吉博コレクション」
肥前磁器研究家として広く知られた故 今泉(いまいずみ)吉郎(きちろう)氏と御子息の吉博(よしひろ)氏によって、二代にわたって集められた貴重なコレクション100点が、このたび佐賀県立九州陶磁文化館に寄贈されました。
江戸時代前期の有田焼を中心に、佐賀藩の御用窯である伊万里市の鍋島藩窯で焼かれた鍋島焼や、佐賀県嬉野市の吉田焼、長崎県波佐見町の波佐見焼を含む質の高い肥前磁器のコレクションです。
佐賀県有田町に生まれた吉郎氏は、肥前磁器の収集と研究に尽くされ、「今泉元佑(げんゆう)」のペンネームで多くの著書を残されています。寄贈された作品の中には、吉郎氏の著書で紹介された作品も含まれており、研究史的にも重要なコレクションといえます。
今回の寄贈を記念して、昭和60年(1985年)に吉郎氏が寄贈され、後に国の重要文化財に指定された「染付山水文輪花大皿(そめつけさんすいもんりんかおおざら)」とあわせ101点のコレクションを一堂に展示します。