仙厓義梵筆《蜆子和尚図》
仙厓義梵(1750 ~1837)は、日本最初の禅寺である聖福寺の住職を務めた禅僧です。親しみやすい書画を通して禅の教えをわかりやすく伝えたことから「博多の仙厓さん」と呼ばれ人々に慕われました。そのため、福岡・博多では地元の文化人や実業家による優れた仙厓コレクションが数多く形成されました。福岡市で証券会社を経営されていた小西友次郎氏が収集し、去る2016年度にご子息の昭一氏よりご寄贈いただいた作品群もその1つです。寄贈を記念して開催する本展は、これまでまとまった形で紹介されたことがなかった小西コレクションの全容を示す初の機会です。55点に及ぶ小西コレクションの最大の特徴は、その幅広さにあります。画業の初期に描かれた謹直なスタイルの禅画から晩年のゆるくてかわいい動物たち、そして、茶器や文房具などの日用品も含んでおり、仙厓のすべてを知りたいと願ったコレクターの思いが伝わってきます。本展を通して博多の仙厓さんの新たな魅力に触れてください。
仙厓義梵筆《双狗図》
[関連イベント]
講座
つきなみ講座特別編「小西コレクションとその魅力」
日時:2019年10月19日(土) 午後3時~午後4時30分
30分前より受付開始
会場:レクチャールーム
料金:参加無料、先着順
定員:54名
講師:宮田太樹(当館学芸員)
月に一度行う「つきなみ講座」では、当館の学芸員が、自身の仕事、展示、研究、関心ごとについて語ります。
今回お話しする「小西コレクションとその魅力」は、10月1日から開催する企画展「仙厓-小西コレクション」についてお話します。
※講座中、ギャラリートーク(要観覧券)も実施します。
ギャラリーツアー
企画展「仙厓-小西コレクション」
担当学芸員によるギャラリートーク
日時:2019年10月12日(土) 午後3時~午後4時
2019年11月17日(日) 午後3時~午後4時
2019年11月24日(日) 午後3時~午後4時
会場:コレクション展古美術企画展示室
料金:申込不要。聴講無料ですが、当日の本展観覧券が必要です。開始5分前にコレクション展示室(古美術)入口にお集まりください。
画業の初期から晩年まで辿る作品のほか、茶器や文房具などの日用品55点に及ぶ小西コレクションを通じて、担当学芸員が博多の仙厓さんの新たな魅力をご紹介します。
その他
企画展「仙厓-小西コレクション」
筑前琵琶演奏会
日時:2019年10月26日(土) 午後5時~午後6時30分
※30分前より受付開始
会場:ミュージアムホール
料金:観覧無料、先着順、要観覧券
定員:180名
講師:尾方蝶嘉氏
筑前琵琶は明治時代に福岡で生まれ、仙厓さんと同じく人々から愛されてきた楽器です。
展覧会にちなんで、仙厓さんの生涯をモチーフにした楽曲「仙厓義梵」を中心に琵琶の演奏をお届けします。
音と語りで掘り下げる「人間・仙厓」の魅力と筑前琵琶の世界を存分にご堪能ください。
【尾方蝶嘉氏プロフィール】
嶺青流 筑前琵琶保存会 師範
筑前琵琶 嘉の会(よしのかい)主宰
日本琵琶楽協会会員
13歳より筑前琵琶を嶺旭蝶、青山旭子に師事。琵琶による現代邦楽を田原順子に師事。
日本初の筑前琵琶による人形浄瑠璃座「筑前艶恋座」にて琵琶・語り・作曲の三役を担当。
琵琶曲の作詞作曲等も手掛ける。
古典を深めると共に、様々な題材の中に人間の「情」を見出し、生きる力・美しさ・力強さを持つ作品の創出を目指す。活動は、寺社仏閣、各種アトラクション、公共・教育機関、舞踏、美術、海外アーティストとの共演など、縦横無尽に琵琶と自己の可能性を探究中。
大切にしたい文化や情緒を次世代へ伝えることを目標に、地域の物語の掘り起し、子どもへの琵琶指導など後進育成にも力を注ぐ。
公式ホームページ http://biwa-cyouka.jimdo.com/
仙厓義梵筆《猪図》