2018年11月に100巻を、19年6月には少女マンガ史上最多の単行本 101巻を刊行し、現在も連載が続く「パタリロ!」。生みの親である魔夜峰央は、1973年のデビュー以降、ギャグのみならず、怪奇ものやSF、アクションにミステリーと、ジャンルを横断して唯一無二の世界を描いてきました。また作画においても、一目で魔夜の作品と分かるオリジナリティと美しさを確立。深い闇や艶やかな夜が想起される印象的なベタ(黒い塗りつぶし部分)、均一な線で隙間なく描かれる華麗な装飾に背景……これらが組み合わさった1枚の原稿が織りなす妖しく幻想的な空気は、見る者の心を掴んで離しません。
魔夜峰央のデビュー45周年を記念して、2018年10月から今年2月まで明治大学米沢嘉博記念図書館で開催され、大いに話題を呼んだ「魔夜峰央原画展」。作品やコーナーを追加して再構成し、パワーアップした巡回展を北九州市漫画ミュージアムで開催しています。刊行された関連書籍は300冊を超える作家のこれまでを、約300点にのぼる美しい原画や資料とともに振り返ります。
2016・18年に舞台化、19年に実写映画が公開された「パタリロ!」。同じく19年に公開された実写映画「翔んで埼玉」は全国で大きな話題を呼ぶなど、新しい世界が広がり続ける魔夜峰央作品の原点を、ぜひ会場でじっくりとご覧ください。