本展メインビジュアル
田根 剛|未来の記憶
Archaeology of the FutureーImage & Imagination
フランスを拠点に世界各地でプロジェクトを進め、現在幅広い注目を集める気鋭の建築家・田根 剛。20代の若さでドレル・ゴットメ・田根(DGT.)として〈エストニア国立博物館〉の国際設計競技に勝利し、選出から約10年の歳月を経た2016年秋に同プロジェクトが竣工を迎えるなど、国内外の注目がさらに高まっています。また、2012年に行われた新国立競技場基本構想国際デザイン競技(ザハ・ハディド案選出時)に参加し、11人のファイナリストに選ばれた〈古墳スタジアム〉は幅広い層に知られるきっかけとなりました。2017年のDGT.解散後はAtelier Tsuyoshi Tane Architectsをパリに設立し、活動の場をさらに広げています。
田根が進めるプロジェクトは、場所の記憶から未来を発想する「Archaeological Research(考古学的リサーチ)」の手法をとります。そのリサーチは、個人や歴史上の事実にとどまらず、時間や場所に蓄積する記憶、それらの断片が結びつき生まれる記憶を対象とします。「Image & Imagination」と題した本展では、眼に見えるイメージを手がかりにリサーチを行いながら、まだ見ぬ建築へのイマジネーションへと飛躍させる田根の思考と考察のプロセスを、数々の資料や模型、映像を通して紹介いたします。
記憶は現在を動かし、未来をつくる――この信念にもとづいた田根の創造は、都市の担い手である私たち一人一人にとって建築のもつ力や使命、未来への可能性を考えるきっかけとなるでしょう。