“ひとかた”と“きりぬき”で自分で自分をはらい清める神事を体験 佐賀市の與止日女神社

佐賀で肥前一之宮と呼ばれている「與止日女神社(よどひめじんじゃ)」。この神社で行われている神事「夏越大祓(なごしのおおはらえ)」に行ってきました。

與止日女神社は、佐賀市大和町の川上峡近くの川沿いに位置しています。佐賀市中心部から嘉瀬川沿いを上流に向かって212号線を道なりに進むと、右側に大きな神社の看板が見えてきます。

「夏越大祓」は、毎年6月30日に行われる神事です。上半期が終わるところで、半年分の罪穢れを祓い清めて、残りの半年を新たな気持ちで乗り切るために行われます。当日は、神社の関係者はもとより、地元の方々、そして一般の人も一緒になって参加しました。

神主さんが祝詞を奏上した後、一人ずつ和紙に包まれたものを手渡されます。その和紙の中には、和紙を切って作った人形(ひとかた)とと和紙を小さな四角に切った切幣(きりぬさ)が入っています。人形は、大人の手のひらサイズで、羽根を少し開いたくらいの鳥の姿に似た形をしています。この人形を自分の体にこすりつけることで、半年分のたまった罪穢れを移します。切幣は1枚1センチ四方の大きさですが、片手いっぱいくらい入っていて、50~60枚の量があります。使い方は、自分自身に向けて紙吹雪をパッとまくようにふりかけます。この動作で、罪穢れを払い落とします。最後に、参加者を代表して1人の人が玉ぐしを捧げるという流れです。

初めての経験でしたが、心も身体もスッキリして軽くなった気がしました。ただ、小さい子どもも一緒だったので、途中で飽きてきて静かに座り続けるのが難しかったです。神事がはじまるまで、参加者を待つ時間があったことと、終わるまでに1時間以上かかったことが原因でした。事前に、どのくらい時間がかかるかを聞いておけばよかったと思いました。

人は誰しも、日々を過ごしているうちに、イライラや怒り、ストレスを少しずつ溜めてしまいます。そうした要らないものを、人形にこすりつけたり、紙吹雪でパッと払ったりすることで、「目に見える形で、キレイさっぱりさせる」という今回の神事。当日は、どんよりして時折雨が降るという天気でした。しかし終わった後は、体の中に雲ひとつない青空が広がるような気分になりました。ぜひ日本古来の文化にふれてみてはいかがでしょうか。

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