2018年7月25日から9月2日、佐賀県立博物館で開催された「すごいぞ!ボクの土木展 – 佐賀をつくる・守る・支える」。みなさん、行かれましたでしょうか? 夏休みということもあり、連日多くのお客さんで賑わい、想定来場者数を遥かに超えた大成功イベントとなったようです。しかし、イベントレポートがないかもしれない……と思い、今さらながらここにアーカイブしつつ、自分が出展した作品についても触れたいと思います。
そもそも「土木展」は、2016年に六本木ミッドタウンにある21_21 DESIGN SITEで行われた企画展です。この展示の監修を佐賀出身の建築家、西村浩さんがされたこともあり、明治維新150年にあわせた佐賀バージョンが計画されました。
佐賀はその昔、治水の神様として知られた武将、成富兵庫茂安公が大活躍した土地です。この佐賀で、いまでは一見遠い、しかし私たちの生活を支えている土木について、みなさんにもっとふれあってもらおう、という意図があったのだと思います。
参加したのは、佐賀にゆかりのあるクリエーターのみなさん。写真家から建築家、イラストレーターなど、さまざまなジャンルの、佐賀のためなら一肌脱ごうじゃないかという方々が参加しました。
博物館に着いてまず出迎えるのは、326(ナカムラミツル)がペイントしたショベルカー。実際に運転体験ができたので、子供たちの長蛇の列が。
館内に入ると、2階の階段上の展示スペース入り口に、嘉瀬川ダムのプロジェクションマッピング。ダムが放水するダイナミックなシーンを疑似体験できます。
展示スペースでは、これが土木!?と思わせる、テンションが上がるものばかり。砂で高低を作ると、高いところが山っぽく、低く掘ったところが海になるプロジェクションマッピング砂場や、土木の音でDJをする作品。
佐賀城の石垣を積める作品があったり。
佐賀の景色のいろんなパターンをテキスタイルにした服は、監修者西村浩さんによるもの。
で、僕が出展したのは、「あの日、佐賀に降った雨は。/ The story of rain that fell on Saga」という映像作品でした。
声をかけてもらって、最初にやりたいなと思ったのがこの案で、当初のタイトルは「土木と涙」。佐賀に落ちた雨が、川となりダムを通り、大きな流れとなり浄水場を通り、ある家に着き、蛇口を通り、ある女の子が飲み、その水は吸収され、最後どうなるかというと……映像みてください。
水に関する設備って大きすぎて、自分と関係があるようには想像しにくかったりします。が、自分の体内にある水は、ぜーんぶ、そこを通ってきているわけです。だから、自分も川の一部。そんなことを身にしみて感じて、水と水の設備に感謝する映像になればいいなと思って、信頼する仲間に声をかけて作りました。
展覧会の最後にキュンとして帰ってもらえるようにと、西村浩さんが全作品の最後に配置してくれました。腰掛けて観られるように置かれたのは、東京R不動産の馬場正尊さん(伊万里市出身)が作った椅子。さらには、佐賀出身の彫刻家・古賀忠雄先生のツルハシを持った彫刻が土木っぽいからそのまま残してその前に、というなんとも贅沢な先輩たちとのコラボでした。これが展示風景。
すでに佐賀県内の他のイベントでも上映されているそうです。また、学校の授業で使いたいという声もあり。その場合はご連絡ください。
佐賀のリアルな水の旅。ご覧ください。
水に感謝。
In the summer of 2018, there was “Civil Engineering Exhibition” in the Museum of Saga prefecture where I was born.
I was asked to make some work for that, and I made a movie with my good friends. The title is “the story of the rain that fell on Saga.” A raindrop falls down from clouds to the mountain, and goes to a stream, a dam, a big river, a water purification plant, to a house, becomes tap water. And a girl drinks it. It goes to her body, and finally, it becomes… please check the movie.