生活用品からアクセサリーまで、身近に感じる有田焼

佐賀県有田町は日本の伝統工芸品である有田焼の産地であり、古くからのやきものの町として知られています。

400年もの歴史と伝統を持つ有田町ですが、「歴史」「伝統」と言われると手を出しにくい……とかまえてしまう人もいるのではないでしょうか。

今回10月26日に行われた有田町集中取材では、「身近に感じられる有田焼」をテーマに取材を行いました。

まず向かったのはアリタセラ。アリタセラは有田焼を取り扱う店やギャラリーが約30店ほど並んでおり、日用食器から高級美術品まで様々な陶磁器をみることができます。

色々なお店を回っていると、少しポップな雰囲気を持つお店を発見。株式会社東洋セラミックスさんです。

思わず「かわいい……!! 」と声に出してしまうような商品がたくさんありました。手頃なお値段で、有田焼を購入したことがない方も気軽に購入できると思います。

次に向かったキハラ/KIHARAさんは、外観から他のお店とは一風変わっていて、棚やショーケースはすべて木で作られています。

取り扱っている商品もシンプルでデザイン性の高い可愛らしいものが多かったです。

お店の中には、ガラスで囲まれた小さなスペースがあり、そこには海外の様々な国から依頼を受け製作した作品が並んでいました。佐藤可士和さんなど著名なデザイナーとコラボした作品もあります。

 

アリタセラでお昼ご飯を食べ、次に向かったのは有田陶器市が行われることでも有名な有田皿山通り。歴史ある建物や老舗の窯元などが並んでいます。ここでまず訪れ得たのはcocosaraさんです。cocosaraさんは2019年7月にオープンした有田焼アクセサリーのお店です。

とても古く立派な建物だなあと思っているとこちらはなんと江戸時代に建てられたもの! 1859年ということは約160年……? 長い歴史がある伝統的建築物で空き家だったところにお店を出されたそうです。

店内には指輪、ピアス、ブローチなど可愛らしいアクセサリーがたくさん並んでいます。

これらのすべての商品は、有田在住の三名の方により一つ一つ手作りで作られています。その時浮かんだものを作るのでほとんどが一点物になるとのことです。かわいくて細かいところにまでこだわったものが多く、わたしも花の形をしたピアスを購入しました。

やきものならではの色味や質感がアクセサリーになっていてとても魅力的です。髪留めなどもあり、小さなお子さんでも触れられるとても身近な有田焼だと思います。

 

次に訪れたのは藍土さん。

藍土さんは、気軽に普段使いでき、食卓を豊かにするような日用食器を取り扱っているお店です。

有田の伝統的な技術だけでなく、プロのデザイナーさんにデザインを頼み、その2つを掛け合わせた食器なども展開されています。

インターネット販売もされており、有田に行けなくても手に入れることができます。

わたしもまずは手近なところから食卓を豊かにしたいと思い箸置きを購入してみました。

 

最後に向かったのはアリタポーセリンラボさん。

アリタポーセリンラボは古くから続く窯元の七代目弥左エ門さんが現代の感性と伝統を組み合わせ、「モダン」をテーマにカラフルな有田焼を展開しています。

季節によって展示する商品の色を変えることもあるそうで、秋は「ゴールド」と「ワインレッド」でした。季節によって使う食器を変える生活とはなんて素敵なんだろう……と想像してしまいました。

隣に広々としたカフェも併設されていて、店舗で販売している食器でコーヒーなどをゆっくりと楽しむことができます。

 

わたしは有田陶器市にも訪れたことはありませんし、有田焼という日本の伝統文化に身構えていた部分がありました。しかし、今回訪問したお店はどれも有田焼の伝統的な文化を守りながら、誰もが手に取りやすく、普段の生活を豊かにしてくれるようなものを取り扱っていました。

みなさんも日用食器やアクセサリーなどから有田焼を手に取り、有田焼を身近に感じてみてはどうでしょうか。