目指すは「行動する」記事。「1000いいね!を取れるpotari企画」を練り上げる

 202019日、potari編集部では前回に引き続き、ライターのいわたてただすけ氏を講師にお迎えし、「いいね!を集める企画会議」というテーマで講義をしていただきました。事前課題として「1000いいね!を取れるだろう企画」3つを各自提出して臨んだpotariメンバー。

今回の講義の肝はこれです。

「企画の三段階」1.発想する 2.説得する 3.行動する 

「読者の反応三段階」1.興味を持つ 2.学ぶ 3.行動する 

どちらも3段階目は「行動する」なんですね。記事を読んだ人に興味を持ってもらい、学んでもらうだけでは駄目なの?と疑問が湧いてきますが、良い記事かそうでないかの分かれ道は、記事を読むことで読者が行動するかどうか、だそうです。言い換えれば、web記事のKPI(評価指標)は「行動する人の数」ということです。 

かつてはweb記事のアクセス数や高評価数(「いいね!」の数やシェアされた数)がKPIとみなされていました。しかしSNS離れなどの原因で「いいね!」の全体数は伸び悩んでいます。そもそも、商品紹介の記事にはたくさん「いいね!」が付いたけど、商品自体は売れてないんだよなという状況は、成功したといえるのでしょうか?いえないですよね。読者がその商品を買っていないのは、先ほどの「読者の反応三段階」の「行動する」が起こっていない(「企画の三段階」の「行動する」を起こせていない)状態。これはweb記事として評価できません。 

では、potariの場合、読者がどのような行動を起こすことを目指すべきでしょうか。

そもそもpotariの目的は、「アートな気分で散歩しよう」というキャッチコピーのとおり、美術館などのアートスペースに足を運んでもらうことです。チケットを購入して展覧会を楽しみ、画集も購入して、近場で飲食して……読者にこういう「行動」を起こさせてこそ、有用なwebサイトだといわたて氏はいいます。なかなか厳しい指摘です。potariのレポートを作成する際にあまりその点を意識してこなかったな、と反省してしまいます。自分がいいと思うものを一方的に発信するだけでは、読者は行動を起こさない=読者にとって変化が起こらない。それではいいweb記事とはいえないのですね。

さて、potariサイトにおける「企画の三段階」とは? 

1.発想する

「どういう記事か」を明確にする

2.説得する 

「なぜpotariでこの記事を書くのか?」「なぜこの記事でpotariの価値が上がるのか?」についてpotari運営事務局を、そしてなにより読者を説得する

3.行動する 

「記事を読んだ後で読者がとる、具体的な行動は?」を明確に示す 

さらに、記事は第三者目線でなく、当事者目線で書くのが大切だそうです。「このギャラリーいいらしいよ!私は行ったことないけどね」ではなく、「私がよく行くこのギャラリーのこんなところが好きで、こんな体験ができて、……」という具合に、自分の“好き”を書くのです。それによって読者はライターの行動を追体験できます。“好き”という気持ちや実体験が記事の体温になって、読者に伝わるのかもしれません。 

ここで、ついにpotariメンバーが考えてきた「1000いいね!を取れるだろう企画」に対する講評が。個性的な企画が続々登場しますが、「企画の三段階」の「2.説得する」が弱い(potariの記事としての性格が見えない・アートとの結びつきが見えない)、「3.行動する」が示されていないなどの指摘がありました。そして、アイデアをどう展開させればよいか具体的なアドバイスをいただきました。アドバイスを受けたメンバーが出しなおした企画は……各自さらに練り直した上で、potariで公開します!メンバーの濃い個性がpotariのテーマであるアートと融合した、「行動する」を楽しくも大真面目に追求した企画、お見逃しなく。 

講座の締めに、いわたて氏からpotariメンバーに贈られた興味深いことばを紹介します。

・他の人の企画を聴くことが、その人に対する興味となってチームワークが形成される一方、自分のアイデアの源泉にもなる。

・読者はライター個人に興味がない、という前提を踏まえておく。

・個性的な記事を書くべきだが、それは自分のためではなく、徹頭徹尾、誰かのため。

・行動が見えないメディアは死んでいく。

・アイデアの実践は難しい。手間がかかるし、時間がかかる。「いいね!」の数(そして行動する人の数)は「戦闘力×時間」が如実に表れる。戦闘力が低くても、無駄をいとわず時間をかけて記事を作ることで結果が出せる。 

「戦闘力×時間」の法則には勇気が出ますね。先ほどの読者向け予告でpotariメンバーには(そして自分自身にも)プレッシャーをかけた感がありますが、勇気と根気で企画を完成させます!