蝉しぐれ

ひと足もふた足も早い梅雨明けに気づいたか
ワシワシがぎこちなく第一声をあげようとしている
僕のすきな夏のイントロダクション

「音楽」は決して人間だけのものではない
たぶん、日々生まれては消えてゆく大地の唄を
人間が音符をつくり、レコードに記録し
恥ずかしくて二度と云えないような台詞たちを
ラブソングとして後世に残してしまった
それが「音楽」だとおもう

だから
言葉にできないほどの
切ない感情を
無理やり言語化してしまった「音楽」
とくに現代の歌謡曲とか演歌にはひどく違和なものを感じてしまう

いつの頃からか
詩のない「音楽」がすきになってしまったのも
そういう理由からだろう