2014年4月国際芸術センター青森での個展「相対温室」が始まって間もなく、國府は作品点検中、不慮の事故で早逝した。遺作のひとつであるENDLESS RAIN”は、「降る雨は地面にしみ込み蒸発してやがてまた雨になって降る」と生前X(旧ツイッター)でこの作品について本人が呟いたように、自然の循環を示唆するタイトルである。だが一作品のタイトルにとどまらず、ここにはこれまでの國府の全作品に通じるコンセプトが込められていた。KOKUFUMOBILと名付けられ新たな機能を加えられた独特な乗物や、パラボラアンテナと土や植物を組合わせたシリーズなど、代表的な作品群は、すべて人間と自然の共生と未来への存続を目指すものだった。2008年「街じゅうアートin北九州」で発表された「自動車塔」では、未完成の車の原型を2体向き合って並び立たせた。自動車さえも人間の生命誕生の細胞分裂に擬えたのだ。この展覧会では、「自動車塔」の関連資料ほか、國府家からお借りした貴重なドローイング8点を展示、國府の空想から創り出された未知の世界の秘密を探りたい。
関連イベント
ヤノベケンジ トーク「國府くんを偲んで」
4月29日(月・祝)14:00~15:00
レセプション 15:30~18:30
参加料:トーク1,000円(レセプションは+1,000円)
藤田千彩のギャラリー・トーク
4月28日(日) 16:00~17:00
参加料:500円(お茶つき)
また、会期中、最終日前日の5月11日(土)には、第38回QMACセミナーを開催、このたび田川市美術館長に就任した工藤健志さんからお話を伺います。
工藤健志「田川市美術館長就任記念トーク」
日時:2024年5月11日(土)14:00~
参加料:1,000円(ドリンク+α あり)