大牟田市動物園で「めんたま」を作る

種類や生活している環境によって、大きさや形が異なる動物の目玉。2018年10月14日、大牟田市動物園で動物園手芸部の発足を記念して、目玉のしくみや違いを楽しく学びながら、レジン(樹脂)を使った目玉の作り方を学ぶワークショップが開かれた。講師は、羊毛けだま作家・kanaさん。2015年から羊毛フェルト作家として活動し、作品にはレジンで作った手作りの目玉を使用している。

動物園ならではの催しということで、“めんたま”作りは動物の眼球についてのレクチャーから始まった。肉食動物と草食動物の眼球の位置の違いを、パソコンや本物の頭蓋骨のサンプルを交えながら説明。草食動物のなかでも、地面の草を食むものと高い木の葉を食むもので瞳孔の形が違うことなど、「なるほど」とうなる内容だった。昔から疑問に思っていた、羊や山羊の瞳孔が平べったい理由も分かった。

大牟田市動物園で「めんたま」をつくる

本物と見違えるリアルな目玉は、シリコンカップにレジンを入れ、そこに瞳の写真を切り取って埋め込んで作る。まるでバレンタインのチョコ作りのような簡単さ。しかし、レジンは強力な接着剤でもあるので注意が必要だ。瞳は12種類の動物から選ぶ。ワークショップで使用した瞳の写真は、すべて大牟田市動物園の動物たちの“めんたま”だ。園のスタッフが接写して撮影したオリジナル画像で、日ごろから動物たちと近しい存在でいるからこそ撮れたもの。園で実際に作った瞳の持ち主に会えるのも楽しみだ。1番人気は、透明感のある水色の瞳が美しいユキヒョウのスピカちゃん。他にもカピバラ、ヤギ、ヒキガエル、レッサーパンダ、ライオン、ヘビなど様々。個体名が写真の近くに記載されているので、瞳の持ち主が分かる。

“めんたま“が出来上がったら、パールやビーズなど3種類ほどの飾りを選び、おしゃれなキーホルダーに仕上がる(仕上げは講師のkanaさんにかなり手伝ってもらった)。最終的にはレクチャーも合わせて90分だった。

レジンを紫外線で固めるため、途中何度かUV乾燥機を使用する。レジンが固まるのを待っているあいだ、動物好きの参加者とスタッフの会話が弾む。雑談のなかで、先日鹿児島の動物園で起きた、ホワイトタイガーに飼育員が襲われる痛ましい事故の話題もあがった。スタッフの方は「動物に襲う意識はなく、じゃれただけ。しかし本能的に頸動脈に行く」とお話しをされていた。大牟田市動物園でも、肉食動物には徹底した間接飼育が行われているらしい。

「もっとたくさんの方に、動物園に来ていただきたい。色んな角度から興味を持っていただけるよう、このイベントを企画した」と広報のトミサワさんは語る。大牟田市動物園では、このほかにも観覧者から寄せられた園内の動物の絵や写真の展示会、英会話など様々な取り組みが行われている。今回このイベントに参加して、スタッフの動物に対する幅広い知識と、親しみや愛情を端々に感じた。そして、自分と動物との距離が少し近づいたように感じた。

大牟田市動物園で「めんたま」をつくる

街なかだけど、自然豊かな山のなかにある大牟田市動物園。高い木々の間から漏れる光のなか、作ったばかりの“めんたま”を手に持ち、山羊の声を遠くに聞きながら坂を下る。こんな一日も悪くない。また、動物園に来ようと思った。