学生たちが彩る最後の夏 3号館プロジェクト

学生たちの声が飛び交う佐賀大学のメインストリート。そこから少し外れて、芸術地域デザイン学部1号館の奥の方にひっそりと佇んでいる、芸術地域デザイン学部3号館。

教育学部の体育棟として長年用いられ、芸術地域デザイン学部が開設してからは学部主催の展示会場としても利用されてきた。3号館は、2019年の夏を最後に取り壊される。そこで同学部の学部生や院生の有志が集まり、作品や表現活動に触れるための新しい場として、この場所を一時的に再構築する「3号館プロジェクト」を行っている。3号館の部屋や階段、廊下などのスペースを2階まで広く使い、様々な学生アーティストたちが各週で3ヶ月にわたって展示をしている。

私はこの学部の学生だが、3号館にはあまりなじみがなく、少し迷いながらポスターの地図を頼りに到着した。建物は思っていたよりも古く、外壁が錆で汚れていて、塗装が剥がれていた。建物内も同じように古く、壁にヒビが入っていたり、床が汚れていたりと、この建物が長年にわたり使い込まれていたことを感じる。使い込まれた部屋や廊下、階段に学生たちの作品がぽつぽつと展示されている。美術館のように綺麗な壁や床はなく、照明やパネルなどもない。そんな展示場に、私服や私物を用いて自分を表現した作品など、学生たちの自由な表現が詰め込まれていた。

学部3年生の草野さんは《繋がり》という題で、知り合いに自分の似顔絵を描いてもらい、自らで配色し印刷したものをボードに貼った作品を展示している。芸術地域デザイン学部以外の人にも3号館に訪れて芸術に触れてほしいという思いから、普段芸術に触れない人にも似顔絵を頼み、作品に協力してもらった。また、廊下には各教室につながる役割があり、自分の作品から他の人の作品の世界に入り込み、アートを繋ぐきっかけになれたらと思い廊下での展示を選んだという。

取り壊しが決まり、役割を終えた建物からは、少し寂しさを感じられる一方で、これからを担う若い世代のアーティストたちのエネルギーが感じられた。8月には壁面に絵を描くグラフィティアートも計画されている。芸術地域デザイン学部3号館の最後の夏を観に行ってはいかがだろうか。