ズル ズルオ写真展 『マチナカマクロ』の展示作品
「ぽたりすと」=「ぽたり編集部員」=「アートが好きな人」。展覧会やアートイベントの情報に多く触れる環境にいながら、実際どのようなアート鑑賞を行ったかまとめてみました。
振り返って残念なのは、「行けなかった展覧会(イベント)の多さ」です。一件の投稿・一枚のチラシ・一通のダイレクトメールに心を動かされ、「これは行かねば!」と決めたのに時間がとれず、涙をのんだものがどれだけあったか。そんな無念を感じつつも、やめられないのが情報収集。やめられないのがアート鑑賞。やめられないのがぽたりすと。
前置きが長くなりましたが、7~9月の鑑賞記録の前編をお届けします。「こんな展示あるんだ、来年行ってみようかな」「佐賀県立美術館、いい仕事してる!」「こんな場所で展示が?」など、何かしらの発見につながれば幸いです。
錯覚のふしぎになんで?どうして?どがんなっとっと展@佐賀県立美術館
錯覚のおもしろさにスポットを当てた展覧会は大盛況でした。適度に錯覚しながら営まれている私たちの日常。人間の知覚の神秘に気づかされます。ここでは写真を掲載できませんでしたが、錯覚を体験できるアトラクション的な展示も数多くあり、世代を問わず楽しめるすてきな企画だったと思います。
OKADA-ROOM Vol.24 「色が見えすぎてその取捨に困る」―岡田三郎助の色彩@佐賀県立美術館
岡田三郎助が語ったことばを冠した展覧会名、かっこいいですね! このことばを頭に入れて鑑賞すると、作品がいっそう深く味わえます。郷土出身の画家の目に映る豊かな世界を想像できる展示でした。岡田三郎助といえば女性の美術教育にも力を注いだことで知られます。「婦女子の余暇に」という感覚で教えたのではなく、真剣に教育し、実際に多くの画家がそこから巣立ったという史実には感動をおぼえます。
関係するアート展vol.2~心が震えるほど愛おしいと感じたことはありますか~@佐賀県立博物館
障がいのある作家の作品を展示する第二弾は、「こだわり」に焦点を当てています。入口の近くに展示されていたのは、ずらり吊るされた大量のインスタントラーメン。特定の商品(味ではなく、外から袋に触れた際の音など)に関心を示す女性が実際に触れてきた商品でした。食べるわけではなく外から触れた一日一袋。ひとつの出会いが彼女の生活に大きな変化をもたらしたことがわかります。「こだわり」こそがその人ならではの感性。「こだわり」こそが人生の彩り。そんなことに気づかされました。展示の初日に訪れたところライブアートも鑑賞できてハッピーでした。
ズル ズルオ写真展 『マチナカマクロ』@エスプラッツ
ぽたり編集部内にファンの多いズル ズルオさんの写真展。街の影を切り撮る世界観に引き込まれます。冗談抜きに、ズルさんの作品を見た後は風景の捉え方が変わるんですよね。「あ、こういうのおもしろいな」、「これ切ないな~」という具合に発見が増えて、街歩きがひと味違ったものになります。ズルさんご本人に、撮影で実際に使ったトイデジを持って写真に写っていただきました! 「トイデジ」の名前のとおり小さくてかわいい。印象的な作品はこれを通じて誕生しているんですね。
日本の美が息づく着物展@ギャラリー遊
ギャラリー遊で恒例となっている内村眞理子さんの着物展は、楽しいのです。「着物展」に対してネガティブなイメージがある人ほど行ってみてほしいのです。ネガティブなイメージの根源には「押し売りされる」という不安感があるのではと推測しますが、押し売りは一切ナシ。着物のことを知ってほしいという純粋な熱意から、着物の素材やつくる過程など教えてもらえます。「着物ってよくわからないし難しそうだし…」という人は次回ぜひ行ってみてください! 気おくれしつつ会場に入っても、出るときには「着物っていいものだな~」とまったり満足感に浸っていることでしょう。
夏休みこどもミュージアム体験講座2022@佐賀県立博物館・美術館
毎年恒例、小学生を対象とした体験型の講座のうち、「”コラージュ”でアート作品を作ろう!」に参加できました。「コラージュとは」「コラージュを用いた有名な作品」などわかりやすく説明してもらった上で制作開始。夢中で作業する子どもたち。「保護者の皆様も作ってみませんか」と声がかかると、大喜びで制作を始める大人が多数。見て楽しく、作るのはもっと楽しいのがコラージュなんですね。制作に夢中で当日は写真を撮れなかったので、講座で作ったものと、後日作ったものを載せておきます。
後編に続きます。